十干（じっかん）・干支（えと）

日本で古くから言い伝えられている干支とは、動物を年ごとに割り当てた考え方のことで、子（ね／ねずみ）・丑（うし）・寅（とら）・卯（う／うさぎ）・辰（たつ）・巳（み／へび）・午（うま）・未（ひつじ）・申（さる）・酉（とり）・戌（いぬ）・亥（い／いのしし）の12種類からなるもの。
本来はこの「十二支」に「十干（じっかん）」という甲(きのえ）・乙（きのと）・丙（ひのえ）・丁（「ひのと）・戊つちのえ）・己（つちのと）・庚（かのえ）・辛（かのと）・壬（みずのえ）・癸（みずのと）を組み合わせた60種類を「干支」と呼ぶのですが、日本では主に十二支だけを指すことが多くなっています。毎年、十干の10種類と十二支の12種類が一緒に巡っていきます

最初に十干の性質を見ていきましょう。

・甲　プライド型（きのえ）

この人は、プライドが人よりも高いので頭を押さえつけられるのを何より嫌います。ですから上司や社長は権威をかさにして命令調で叱ったりしてはいけません。

経営者であれば、銀行マンなどに頭を下げることを何より嫌うものです。頭下げる位なら倒産を選ぶと豪語した経営者もいる位です。権威をかさに叱ると、かえって反発と憎しみしか湧いてきませんので人前で叱るのはタブーです。

プライドの高さを利用し、社会的権威のある先生に弟子入りさせるとか、権威のあるセミナーに参加させるのも良いでしょう。エリート意識を持たせることも重要です。

早めに部下を持たせてあげて、命令ができるような環境を作ってあげると喜んで仕事します。「君しかできないから」といっておだてると気合を入れて仕事をやってくれます。

・乙　慎重型（きのと）

この人は、意外に人に左右されやすいので、同僚や先輩を良く選んでチームを編成してあげましょう。一旦迷いだすと迷いの迷路から抜け出すことは自分の力では難しい性格です。

ですから、大きな方向性とか決断は上司が決定し、「全ての責任は持ってあげるから自由に遠慮なくやってごらん」という使い方が基本です。

結果を心配させたりしてはいけないし、方向性までも全て任せるといったことも良くありません。

細かいことに良く気がつき、一つ一つ慎重に物事を進めていきますので、そういったちょっとしたところを誉めてあげると良いでしょう。

・丙　華美型（ひのえ）

この人は、華やかな脚光を浴びる舞台で活躍するのが何よりも嬉しいはずです。ですから、人前にでたり、プレス発表をしたり、展示会で説明したり、契約にサインしたりと、何かにつけて舞台に立つ機会を与えてあげましょう。

そうすると嬉しくなって、どんどんと仕事を進めてくれます。但し、戦略性や緻密さという面では優れているわけではありません。

従って、具体的に商品を開発したり、製造したり、販売したりといったことの責任を全て持たせるのは良くありません。

全ての工程に細かく目ばりできる人を必ずパートナーにつけるべきです。悪いことには染まりにくいのですが、反面他人の言うことにも耳を貸しません。

・丁　丁寧型（ひのと）

この人は、自分なりの正義感をもっていて、それに反することが許せません。ですから、まずこの人の価値観や善悪観を理解する必要があります。

この人の価値観に反するような指示は、例え会社の方針であったとしても出さない方が賢明です。まして社会通念から判断して理不尽なことは指示してはいけません。

逆に、この価値観を利用し、善悪をハッキリと説明し、これからやる仕事の内容が単なる利益のためだけでなく社会に貢献する内容であることを納得させると働き方が違ってきます。

欠点は、強く誘われたら断れないので、嫌々ながらも付き合いをしてしまうことです。何事も丁寧に教え諭すような接し方が基本です。

環境の急変や出世や成功などは望んではいませんので、金銭欲や出世欲に訴えかけても無駄です。

・戊　要領型（つちのえ）

この人は、要領良くうまく立ちまわることが得意ですので社交性をいかした仕事を任せると良いでしょう。

達成するのに少々困難なテーマを与えるくらいで丁度良いでしょう。また周囲から反対されるプロジェクトを任せる位で丁度良いでしょう。

若いうちは、なるべく組織やグループの中に入れて人にもまれることが必要です。自分の主張はあったとしてもなかなか表には出しませんし、チャンスが来るまでじっと我慢強く待っている性格です。

ですから、この人が、本音を言ってきたらじっくりと時間をかけて１００％の真心で聞いてあげることが重要です。

多少のキツイ叱り方でも受け止める器があるので、がんがん訓練しても良い人です。

・己　愛情・感情型（つちのと）

この人は、気に入った同僚や先輩などと一緒に楽しく仕事をすることが何よりも嬉しいのです。また、顧客とも仲良くなって、仕事を忘れて付き合うこともあります。

ですから、任せる仕事は、顧客サービス、ルート営業、営業サポートといったあまり最前線でない仕事の方が良いでしょう。

つまり毎日の成果が数値で表され、勝敗が明確にされるような仕事では、辛くなるばかりでこの人を生かすことはできません。もちろん、１人だけでさせる仕事も向きません。

人の感情には敏感ですから感情的な叱り方をすると、理屈抜きに反発されてしまいます。一言一言、情的で心にしみわたるような叱り方が基本です。理屈ばかりで、叱っても理解できません。

逆に、味方にしてしまえば、理屈抜きに色々な面で無理難題もこなしてくれるようになります。

・庚　暴走・感覚型（かのえ）

この人は、上司や先輩の意見よりも自分の感覚を何よりも信じて疑いません。一見すると、上司の指示に素直に従うような振りはしますが、細かく観察していくとそうでないことが分かります。

ですから、時に暴走しますがその動機が「善」である場合は、暴走はある程度大目に見てあげましょう。自分で納得するまでやらせることです。

しかし、その動機と判断が明らか会社にとってマイナスである場合や、「悪」である場合には、徹底して叱っても良い人です。

多少のキツイ叱り方でも受け止める器があるので、がんがん訓練しても良い人です。

ピンとくるものがあるはずですから、それが何なのかを良く聞いてあげましょう。会社の目標とこの人の感性がマッチすれば大変なパワーになることでしょう。

・辛　繊細型（かのと）

この人は、細かい所に気がつくのでうまく組織や集団にとけ込みます。しかし、人間関係が複雑なところや泥にまみれているところには近寄ろうとしません。

ですから、智謀知略的な仕事や、人を陥れたりといった仕事はさせてはいけませんし、耳に入れてもいけません。

しかし、今の社会環境を考えると、たくましい、少々強引でず図太い同僚などとパートナーを組ませると、その繊細さが生きてくることでしょう。

神仏など精神世界に関心を持つので、そういった精神世界のことを任せるのが本当はあっています。

ときどき、ヤクザ的な仕事をしている人も、この辛の人がいます。なにかに、こだわる、そのためには、辛抱するという職業の人に多いような気がします。

・壬　戦略思考型（みずのえ）

この人は、今の時代に人々は何を求めているのだろう、売れている商品があれば、なぜ売れるのだろう、人気のあるテーマパークがあればなぜ人気があるのだろう、といつも頭の中では知的、戦略的に物事を考える性格なのです。

また、これだけの予算があれば、こういった企画が良いとか、こういった売り方がいいとか、そういった戦略思考をするのが得意です。

ですから、ただ上司が「〇〇をやってくれ」ではこの人は納得しません。

面倒がらずに、なぜそうするのか理由を説明してあげましょう。心の中はいつも、なぜ？という疑問が解決できないと気持ちが乗らないのです。

逆に、会社の本当の戦略、あるいは経営者が資金繰りで困っていることなどを理解させると、同じ仕事を任せても、大変なパワーを発揮する人なのです。

・癸　頑固型（みずのと）

この人は、見かけはニコニコして柔軟そうに見えますが、自分の考えを上司や先輩から、無理に変更させられることを何より嫌う性格です。最後は自分のやり方でやっていきます。

見た目は上司の指示の通りに実行する振りが得意ですが、実際は納得していないのでだんだんと自分なりの方法でやったりします。

この人を使う側は、頑固さは自己主張という能力の根本であると良い方向で理解してあげましょう。ですから、自分が本当に納得すれば、忍耐力が要求される仕事や、万難を排してやらないといけない仕事などの方が、この人はパワーを発揮するのです。

もし細かい指示通りにやってくれないといけない仕事を任すのであれば、毎日進捗状況とやり方の詳細をチェックするなどの管理の工夫が必要でしょう。

 

十二支の性格を見ていきましょう。

子
人付き合いが良く社交的です。家族や友人を大切にするので周りにはいつも人が集まります。明るくポジティブな性格の持ち主。自立心が強いので、早くから親元を離れ人生設計を立てて行きます。
適応能力と危機管理能力に優れているので、どんな環境に置かれても抜群の対応力を発揮します。
秘密主義ですが、人の秘密は知りたがります。ウワサ話しは大好きで人の批判をすることもしばしば。他人のプライベートに足を踏み入れがちなお節介者です

丑
多少の困難も乗り越えるタフな精神の持ち主。愛情豊かで人情派でもあります。芯が強い人が多く、粘り強く着実にというタイプです。信念が強い。自分が納得してから行動するのでマイペースに見られがちですが、忍耐強く努力家です。曲がったことが大っ嫌いでズルなどは一切しません。とにかく初動が遅くエンジンがかかるのに時間がかかるため、何事にも腰が重い。固定観念が強すぎるゆえに周囲を偏見の目で見がちないわゆる偏屈者です

寅
明るい性格で抜群の行動力があります。虎が獲物を捕らえるために用意周到に接近し、タイミングを見て動く「虎視眈々」そのもの。正義感が強く逆境にへこたれることがありません。どんな状況下でも成功を収めることができます。華やかで明るいので一目置かれる存在になります。やや反抗的で落ち着きがない。群れて行動するよりは個人プレーを好みます。集団生活は苦手なゆえに協調性に欠けるきらいがある、いわゆる自己中な傾向のある人です

卯
上品で優しく穏やかな性格です。常識的な人が多く、揉め事は好まない平和主義者でもあり、強引に自分の意見を押し通したりしません。いつもニコニコしていて、人を和ませることで周囲から信頼と尊敬を集めます。敵を作ることを嫌うので、上司にも可愛いがられ若いうちに出世する人が多いです。自分に不利的な状況を察知すると一目散に逃げます。その様相はまさに「脱兎」。ガラスのハートを持っているがゆえに、孤独を極端に嫌う気分屋です。

辰
先見の明は抜群のものを持っており、発想が奇想天外。他の人の一歩も二歩も先に行く、スケールの大きい人です。くだらないことで揉めたりせず、まわりとのトラブルもさほどありません。おおらかな一面がありスケールの大きさが魅力です。社会や組織の中でリーダー格になる存在。自分の思い通りにならないと怒りだし敵対心をムキ出しにします。何を考えているのか分からないところが愛想が無いと思われ、友人に恵まれない人も。唯我独尊タイプの人です。

巳
本心をなかなか見せない性格なので、一見するとクールな人と見られがちですが、本当は情熱的で優しい性格の持ち主です。頭も良くて集中力もあり、美的センスを備えております。自分の理想とするものや望むものを決して諦めないこだわりがあり、一度設定した目標は必ず達成しようとします。こだわりが強すぎるゆえ、柔軟性に欠けるきらいがあります。そのこだわりと執着心が、世間一般で言われている代表的な言葉「へび年生まれは執念深い」という言葉にあらわれています

午
明るくアクティブで思い切りの良さが心情です。要領がいい上に説得力もあるので、人脈を幅広く作ることが出来ます。考えるより行動するタイプなので物事を計画的に進めるよりも、短期決戦のような勝負事には滅法強い。才能にも恵まれて目立つ存在なので、常に明るい人気のポジションにいるのでは。あまり考えずに行動することがあるので失敗が多いことも。気持の上下が激しいのも特徴。先へ先へと急ぐため、慎重さに欠ける典型的ないわゆる「せっかち」な人です

未
平和主義者で温厚。争いごとを極端に嫌う少々気弱な性格の人ですが、自分の意見を持った芯の強さも兼ね備えております。基本負けず嫌いなのですが、人と合わせることをモットーとしているため、常に受け身であるがゆえに、自分から行動を起こして何かをしようとするタイプではではありません。取り越し苦労が多く、何かを決めて行動するのは大の苦手です。人と争ったり、トラブルは非常に苦手なので、無理に自分を押さえて人に合わせようとする性格は優柔不断の典型的なタイプです

申
とにかく器用で何でも要領よくこなします。気短で即断即決で事を進める行動派。巧みな話術で周りの人気者になります。話題が豊富で話すと楽しい人です。好奇心は男女とも旺盛です。「猿まね上手」というと語弊があるかもしれませんが、とにかく器用に何でもこなします。気性が激しく人と争うこともありますが、不思議と人に恨まれることはありません。過剰に心配性の所があるにもに関わらず、調子の良い事ばかり言うところは、いわゆる「お調子者」です。

酉
プライドが高く、几帳面な性格の持ち主です。頭の回転の早さはピカイチで、洞察力に優れており、攻撃的な本能もあります。頭の回転が早く、情報のアンテナを常に張り巡らしており、流行に敏感な人です。内面は自分の気持ちに素直で気取る事はしないのですが、外面は不思議な気品の良さがあり、一緒にいて退屈する人ではありません。
気が変わりやすく自分本位で物事を進めがちなので、周りの人をとかく振り回しがちです。プライドが高すぎるゆえに人を見下すようなところがある、いわゆる「高飛車」な傾向が

戌
誠実、忠誠的など「誠」の字がたくさんつく人です。我慢強く人情深い。１２支の中で最も誠実であると言われております。人への恩義を決して忘れず、自分から人を裏切るようなことは絶対にしません。一度忠誠を誓った相手にはとことん尽くす傾向があります。女性は働き者ですが、得てして家事は苦手（？）な傾向も。我慢強く堅実なのですが、一度苦手と感じた相手をとことん嫌う傾向があります。自我心が強いところがあり、社交的なことが苦手な実は「頑固者」です

亥
何事も熱心でやり遂げるという強い意志の持ち主で、まさに「イケイケGOGO」の「猪突猛進」という言葉がピッタリの性格です。芯が強く滅多なことでは折れない強い精神力の持ち主です。非常にエネルギッシュでバイタリティーに溢れており、我慢強く、一度こうと決めたことは、とにかく最後まで諦めずに完遂する人です。とんでもなく我慢強い面があるのですが、人の意見を聞かずに自分の意見をはっきりと言ってしまうところがあり、つまらぬところに頑固な面もある、いわゆる「意固地」な傾向が